板橋区立企業活性センター 第110回いたばし起業塾「ベンチャー・中小企業が押さえたい会計の知識」
講師:公認会計士 板橋区起業支援フォーラムLLP代表 安藤信行氏
2015年12月9日(水)板橋区立企業活性センター2階研修室
・キャッシュフロー経営
・財務体質の見方
・収益性を測る
・粉飾決算の見分け方
・キャッシュフロー経営・・・帳簿上の利益よりも手元資金を重視する経営:粗利よりも資金リスクを減らす!
①売掛金の早期回収を重視する:目先の粗利よりも支払い条件!!
②極力固定資産の取得を控える:売上が良くても固定費が払えないため倒産ということもあり得る
外注の利用・・・固定資産のリスクを軽減
③在庫はできるだけ少なくする
・キャッシュフロー経営のメリット
手元に現預金が多い⇒投資など様々な対応がすばやく行える
製造物責任が無い
・キャッシュフローのデメリット
利益率が減る可能性がある
・財務体質の見方・・・静的財務体質と動的財務体質 :会社の安全性を図る基準!
①静的財務体質を測る基準
(1)自己資本比率=資本金/総資産 ・・・中小企業:30%以上←優良
(2)流動比率=流動資産(1年以内に換金できる資産)/流動負債(1年以内に返済できる負債) ・・・100%以上
(3)固定資産長期適合率=固定資産/(固定負債+資本)・・・100%より低ければ安全
②動的財務体質を測る基準
(1)現預金
(2)売上
・収益性を測る
①利益の種類
・売上総利益(粗利)
・営業利益・・・黒字:銀行融資の決め手
・経常利益・・・銀行は経常利益を評価する
・税引前利益
・当期利益・・・最終的に得られる利益:株主が評価
(返済能力=当期利益+減価償却費)
②総資産利益率・・・究極の会社の収益 投資家が経営者を測る指標
総資産利益率=売上高利益率×総資本回転率=利益率×資本効率
(1)売上高利益率=当期利益/売上高
(2)総資本回転率=売上高/総資産 ・・・どれだけの資産を使って売上を出しているか?
アメリカでは資本効率重視・・・いかにお金を使わずに利益を上げるか!!
・粉飾決算の見分け方
①架空売上計上
②押し込み販売、三角取引 売掛金/売上:大きいと要注意
③架空在庫、仕掛品架空計上 在庫/売上:大きいと要注意
④費用の資産化
⑤債務の帳外化
・借入金の簿外処理 借入金:大きいと信用できない(普通は0)
・未払費用の未計上
・支払費用の未計上 支払利息:大きいと要注意
⑥融通手形(支払手形) 支払手形:大きいと要注意
資金からみた良い事業 (ただし参入障壁が低くなり競合が多いデメリット有)
・資金回収サイクルが短いこと ・・・現金商売だと潰れない
・必要資金が平準化している ・・・毎月の売上の安定性
・前払資金額が少ないこと ・・・粗利益率が高い
資金からみた悪い事業
・良い事業の逆、エクエティファイナンス(株式発行を伴う資金調達)の積極的活用が必要
・必要資金の多さ、調達能力が参入障壁を生み出すメリットがある
2015年12月13日(日)㈹杉江誠